第31回 2008年07月15日 

 

(小シンポ)考古学を科学する会の成果から邪馬台国を議論する(藤盛紀明)

 

考古学者が邪馬台国=畿内説を主張する根拠は、三角縁神獣鏡を中心とする銅鏡が近畿中心に分布すること、それらの中に魏への卑弥呼遣使前後年代の年号銘のある鏡があること、年輪年代法によって土器編年の実年代が新しくなり箸墓の築造年代が卑弥呼の死亡年代に近づきつつあること、弥生終末に北九州に目立った遺跡の無いことである。今回の発表では、本会の過去30回に及ぶ議論から、これらの考古学的根拠は否定されることが報告された。さらに畿内説考古学者は鉄生産と鉄技術の普及についても言及しているが、愛媛大学村上教授の研究が紹介され畿内説学者の論拠に疑問を呈した。