新井宏さんの研究の総論編「新井宏が語る”理系視点の考古学シリーズ”」全5回連続講演第2回開催のお知らせ


日 時:202497() 14時から16時迄(受付:1330分)

場 所:きゅりあん(品川区立総合区民会館) 小会議室

参加ご希望の方は、考古学を科学する会 事務局 鈴木浩史 k.kagaku.jimu@gmail.com 迄に

メールにてお申込み下さい。

また、講義終了後には会食(会費:3,000円程度)を予定しています。

会食にもご参加頂ける方は、お送り頂くメールに(会食に参加します。)とお書き添え下さい。

会 費:1000(会場費・資料代として)

講 師:新井 宏 様(前韓国慶尚大学教授 金属考古学)

演 題:C14年代測定法(仮題)

 ※詳しい内容に付いては、今後お知らせ致します。


最近の講演


 新井宏さんの研究の総論編「新井宏が語る”理系視点の考古学シリーズ”」全5回連続講演の第1回目「三角縁神獣鏡国産説の証明(鉛同位体)」が開催されました。


日 時:2024年6月15日(土) 14時~16時
場 所:きゅりあん(品川区立総合区民会館) 中会議室
講 師:新井 宏 様(前韓国慶尚大学教授 金属考古学)
演 題:三角縁神獣鏡国産説の証明(鉛同位体)

 旧来の考古学系の研究は、三角縁神獣鏡の目に見える外観(形状、文様、銘文)の精緻な研究が主体であり、ともすれば主観的な判定と成りがちであった。その一方で鉛同位体比分析等による理化学的な研究は、考古学系の下請け的な研究の要素が強く、両研究の結果に差異が生じても、考古学系に「忖度して」不都合な内容を目立たぬ形に改変してしまう事例がしばしばあった。

 また三角縁神獣鏡には中国鏡と異なりほとんど全てに「同型鏡」が存在するが、旧来の研究ではそれらを「同笵鏡」と称し「元鏡」と同等に扱う流れがあった。しかし、理化学的な研究によると「同型鏡」の製作時期や製作場所は「元鏡」と異なっていた状況を示唆していて「複製鏡」と理解と直す必要があった。

 また、旧来の研究では、三角縁神獣鏡の原料問題に迫る有力な手法を持たなかったが、「鉛」は銅や錫と異なり精錬がはるかに容易で有り、銅・錫の供給を中国に頼っていても「鉛」だけは「地産地消」が行われた可能性があることを、楽浪土城、平原弥生古墳、荒神谷中型剣、桜ヶ丘銅鐸などに見出し、最終的には岐阜県神岡鉱山を三角縁神獣鏡鉛原料の産地と推定した。

 なお、本報告では旧来の考古学の外観的な研究成果をいったん全く「無かったもの」として、理化学的な研究のみによって、研究史を再編することを試みている。


 次回からは以下のテーマで講演を予定しております。

第2回「C14」

第3回「年輪年代」

第4回「古代尺」

第5回「考古学と科学」総論


前回会合の会場風景