新井宏さんの研究の総論編「新井宏が語る”理系視点の考古学シリーズ”」全5回連続講演第3回開催のお知らせ


日 時:20241221() 14時から16時迄(受付:1330分)

場 所:きゅりあん(品川区立総合区民会館) 小会議室

 参加ご希望の方は、考古学を科学する会 事務局 鈴木浩史 k.kagaku.jimu@gmail.com 迄にメールにてお申込み下さい。

 また、講義終了後には会食(会費:3,000円程度)を予定しています。会食にもご参加頂ける方は、お送り頂くメールに(会食に参加します。)とお書き添え下さい。

会 費:1000(会場費・資料代として)

講 師: 新井 宏 様(前韓国慶尚大学教授 金属考古学)

演 題:『年輪年代法を分析する』

概 要:

 年輪年代法に限ったことではないが、研究過程では、試行錯誤が避けられない。

メンデルの法則やケプラーの第三法則の観測データは統計学的に見て「あまりにもでき過ぎ」との批判がある。

 測定ミス、転記ミス等でごく一部のデータに異常が見つかるのは珍しくない。それを理論の外乱として、削除または改変しているのではないかとの批判である。

 光谷氏の年輪巾測定件数はおそらく1万件を越えているが、各々に200年間程度の基礎年輪巾データがあり、後ほどチェックすると相当数の「異常データ」が必ず見つかる。

 光谷氏の年輪年代値は最外部の西暦年代のみが公表されていて、研究者間の相互チェックができないと、当初から主として測定結果に不満のあるアマチュア研究者から声高な批判がある。公費を用いての研究なのだから、その公表を要求する訴訟もあると聞く。

 今回の第3回の「百年古いか年輪年代法」の講演は、当然その手法の解説もあるが、実は「考古学を科学する」立場から、「批判」の過程を「批判」することを主眼としている。

 

 


全5回の講演スケジュール:

 第1回「三角縁神獣鏡国産説の証明(鉛同位体)」   2024年6月15日実施

 第2回「C14年代推定法の変遷と課題」      2024年9月7日実施

 第3回「年輪年代法を分析する」         2024年12月21日実施予定

 第4回「古代尺」

 第5回「考古学と科学」総論


前回(第2回)講演


 新井宏さんの研究の総論編「新井宏が語る”理系視点の考古学シリーズ”」全5回連続講演の第2回目「C14年代推定法の変遷と課題」が 盛況のうちに開催されました。


日 時:2024年6月15日(土) 14時~16時
場 所:きゅりあん(品川区立総合区民会館) 中会議室
講 師:新井 宏 様(前韓国慶尚大学教授 金属考古学)
演 題:C14年代推定法の変遷と課題

概 要:
 
炭素14年代法を利用した歴博の「弥生開始時期の500年遡上論」が提示されたのは平成15年5月のことである。その後、「古墳時代遡上論」とでもいうベキ「箸墓年代論」も提示され、考古学界に多くの課題が投げかけられたが、はたしてその評価は定着したのであろうか。20年を経過した現在、当初の熱気に比較して、新しい測定資料の提出もほとんど見かけない。

 それは、炭素14年代法が科学的な手法で有り、どこでも何に対しても使えるという願望ばかりが先走りして、それを阻止すべき科学系の研究者が考古学系に忖度して十分な牽制を怠ったからであろう。

 本稿では世界各地で判明していた「炭素14法が古くでる現象」を示しながら、なぜ「地域差」がでるのか理論的な検討を行うと同時に、土器付着炭化物のように汚染環境に置かれた試料では僅かでも古い汚染物が残留すると大きな影響がでることを指摘した。事実、土器付着炭化物による炭素14年代は壊滅状態であり、その測定結果は厳密な検証から全て除外すべきである。


前回会合の会場風景