第82回 2019年11月12日 

 

弥生時代の始りは 500年 遡らない! (丸地三郎)

 

国立歴史民族博物館(歴博)が、水田稲作開始時期の土器付着炭化物を炭素14年代測定法で計測した結果、弥生時代の開始時期を従来の紀元前500年から500年遡らせたとの発表を行った。これに対して、海洋リザーバー効果ではとの批判がなされ、歴博は反論する論文を発表した。その注に、海洋リザーバー効果の影響を避けるため「ちなみに歴博では海岸に接して立地する遺跡から 出土した試料は原則として測定の対象としてこなかった。」と記述した。そこで、試料の出土した遺跡が、歴博の云う紀元1000年の頃の地図・地形図を使って、海岸に近いか検討した。その結果、全ての遺跡が、海岸又は河口に近い川筋に存在したことが判明し、測定対象としてはならない遺跡の試料だったことが判明。「500年遡らせる」根拠がないことが判明した。

また、水田稲作開始した人々と渡来民について分析した結果、渡来民とそのルートは、2段階・2ルートあることが判明した。根拠は、弥生開始時の戦争遺跡、墓制、埋葬人骨、土器、稲の品種などの違いや変化等々。縄文人の海洋民族が、朝鮮半島に渡来していた難民の稲作農民を招聘して、初期水田稲作を行ったもので、海産物が得られる臨海地域に水田開発し生活した。従って、その遺跡からの出土物は、海洋リザーバー効果が出るのは当然であった。因みに、二段階目に到来した人々が弥生人となった。