第36回 2009年07月14日 

 

木材の腐朽と伝統木造建築の耐久性について(木内修)

 

伝統木造は、柱の上端と下端から腐ってくることによって耐久性が決まる。柱下端に関しては、掘立柱の耐久性について伊勢神宮で行われている貴重な実験データが紹介された。掘立柱の場合、20~25年で耐力がなくなるが、柱脚に薄い銅板を巻く事によって耐久性が飛躍的に向上した。これは銅の緑青による殺菌効果であると考えられている。また柱上端の雨漏りによる腐食の問題に対しては、茅葺、板葺、桧皮葺、杮葺などから瓦葺に変遷し、さらに屋根の勾配を急にしたり、瓦の下地を工夫しているという実例の紹介があった。