第32回 2008年10月01日 

 

箸墓築造年代を巡って・年輪年代と炭素年代の問題(新井宏)

 

日本考古学協会第74回総会での歴博の箸墓年代に関する発表について、歴博の理論展開には恣意性があり、炭素年代測定データのパラツキとその解釈および年輪年代法のデータ照合の論理について、問題点や矛盾点を具体例で説明した。そして考古学者はもっと詳細データを公表して、素人も議論に参加できるようにしなければならないことを指摘した。この講演に対して、炭素年代や年輪年代のデータのパラツキを考えた場合、数十年から百年程度の差を論じる意味があるのかどうかについての議論があった。