第29回 2008年03月06日 

 

国宝の寺社建築に見られる長さ単位について(平井進)

 

奈良時代~江戸時代の国宝の寺院・神社の建物の柱間の寸法測定値について、尺度論というより純粋に数学的な観点から「長さの単位」を如何に簡単に表記できるかを検討した。その結果、一つの統一された尺度ですべての建物が作られたとは思えず、古墳時代~奈良時代に大陸・半島から建築技術が伝えられたときに、技術集団毎に使用していた異なる尺度がそのまま継承されたと推測された。この講演に対し、垂木の間隔と「長さの単位」が一致しているものが多く建物を作る時の木割を考えてみるのも面白い、等の議論があった。