第28回 2007年12月13日 

 

青銅鏡製作方法とその周辺の話題(新井宏)

 

鋳物の製造技術の解説に続き、主に鈴木勉氏による同笵鏡製作復元研究が紹介され、仿製鏡は二層式鋳型で作った可能性が非常に高いと考えられるとの話があった。これは、異笵で作ったと考えられる鏡でも、乳や線傷が一致しているものがあり、それらは一層目が共通する二層式鋳型で作ったと推定されるからである。また、三角縁神獣鏡が割れている原因については、ステンレスでもよく問題になる「応力腐食割れ」が原因ではないかという説が発表された。画期的な新説と思われるので、今後のフォローの必要性が議論された。