第27回 2007年09月03日 

 

金属を通して観る考古学(新井宏)

 

考古学は人間のすべての営みが対象であることから、政治、経済、文化、理・工学、医学など様々な分野からの参加が必要である。今回は、各種金属の価値といった経済の視点から考古学を見た事例が紹介された。現代と古代における各種金属の生産量と価格の比較や金属と米穀の価格の比較を行い、特に古代は鉄の価値が高かったことを数値で示した。また、弥生・古墳時代に使われた鉄と銅の全数量の推定値と推定価格の関係から、国内で作るより米穀と交換輸入した方が経済的というような考え方も必要との紹介があった。