第59回 2014年02月27日 

 

三角縁神獣鏡(約500余)を出土した古墳(約200程)の側から見た研究(田中肇)

 

講演では、三角縁神獣鏡の同笵関係が一目瞭然でわかる労作の表(横軸に三角縁神獣鏡番号をとり、縦軸に三角縁神獣鏡を出土した古墳を都道府県別にとって、その交点に出土した三角縁神獣鏡の枚数を記入したもの)等を示し、各古墳からの三角縁神獣鏡の出土状況についての解説があった。結論として、三角縁神獣鏡は、3世紀の古墳から出土したものはなく、ほとんどが4世紀の古墳から出土しているので4世紀に大流行した鏡であると言える。このことから、三角縁神獣鏡は3世紀の魏系鏡ではなく(つまり卑弥呼の鏡ではなく)、4世紀の東晋時代に畿内で呉系渡来人によって作られたのではないかと考えられるということであった。