第57回 2013年09月09日 

 

言語学から見た山東・朝鮮・倭(藤井游惟)

 

今回、講師が証明しようとした仮説は、漢字文明は山東半島→遼東半島→楽浪郡→百済→倭ともたらされ、①日本の「呉音」の原型は百済音(朝鮮音)で、その朝鮮音の原型が山東方言音であったこと、②「日本書紀α群」を書いたとされる唐人俘虜の薩弘格ら「中国人」は、その山東方言話者であったこと、の2点である。その根拠については、「記紀万葉」の借音仮名文書を中国各地の方言と朝鮮語で発音した言語音声ビデオを用いて、どの言語話者の発音が日本語に近く聞こえるかという観点から解説した。