第53回 2012年12月03日 

 

年輪年代法の問題点-真の科学的思考とは-(鷲崎弘朋)

 

講演では、新井氏の前回での鷲崎説に対する16の反証と6つの反論について詳細に検証した結果、鷲崎説批判は成立せず、年輪年代法における「旧い標準パターン」には系統的な誤りがあり、AD640年以前を示す測定値はすべて100年狂っている(古く測定される)ことを論証した。

最後に、今回の新井・鷲崎論争を決着させる方法として、年輪年代測定結果が文献と整合する結果と整合しない結果の混在する紫香楽宮跡の9本の柱をはじめとする17事例のC14を測定することを歴博に働きかけること、さらには奈文研に対して、拒否された場合は訴訟も辞さないという態度で、年輪年代法の標準パターンの生の基礎データの「開示請求」を行うこと、などの提案があった。