第20回 2006年07月03日 

 

古代中国の数の体系と尺度(平井進)

 

講演では、古代中国の陵墓・都城や青銅器などの大きさは、その縦横などが簡単な比をなしていることが多いということ、そしてこれらの比を構成する基本要素として、2、3、5、√2、黄金比、円周率の6つの数値を組み合わせる規律があったのではないかという仮説を提案し、多くの例で検証した結果を示した。検証には、奈良時代の尺度、陵墓と都城、十二律、殷周代の尺度など広範囲な例を取上げ、それらの物の寸法が「長さの単位と基本要素の乗除」で整理することができることから、長さの単位を推定できるとした。