第12回 2005年02月21日 

 

泉屋博古館の三角縁神獣鏡の微量成分解析について(新井宏)

 

泉屋博古館研究の重大な問題点は「微量成分のアンチモンが錫原料からもたらされたという前提条件そのものが間違っている」ということを、これまでの各種の研究データで示した。アンチモンは銅鉱石に含有されていることは金属考古学では常識であり、そういった意味からは、泉屋博古館のデータはAg/Cu比とSb/Cu比を対比して整理するか、直接Ag/Sb比で整理すべきであった。ちなみに、今回のデータをAg/Sb比で整理すると、三角縁神獣鏡の「舶載」と「仿製」の間にはまったく差異が認められなかったとしている。