第 5回 2003年12月10日

 

放射性炭素(14C)による年代測定法について(まとめ)(中辻輝紀、米丸啓介)

日本古代の製鉄時期について(明石雅夫、田村家範、田中忠、伊藤公吉)

 

第1の話題について、前回まで放射性炭素について議論した結果を、分かりやすく図を中心とした2つの資料にまとめ配布した。

第2の話題について、日本国内での製鉄は、6世紀後半以降に始まったというのが定説になっている。しかし、5世紀中葉から後半に築造されたと考えられている大和6号墳から出土した鉄器の成分について、歴博が中性子放射化分析を行ったデータを、当分科会のメンバーの明石氏が独自に解析した結果、試料内の親鉄・親銅元素含有量のばらつきが大きく、国内で生産されたものと推論できると言うことを突き止めた。もし5世紀に鉄が国産されていたとなると、大和政権成立の考え方に影響を及ぼす重要な問題となる。次回はさらに突っ込んだ議論をする予定。