第 2回 2003年06月17日 

 

考古学における年輪年代法の扱いについて(藤盛紀明)

 

遺跡の実年代推定について、土器からの推定と年輪年代法からの推定で異なる場合があり、その具体的な例、例えば「勝山古墳」や「堺市下田遺跡」などを取り上げ議論した。

年輪年代法は、使われた木材伐採の実年代を推定するのには有効な方法ではあるが、その木材が使われている遺構の建設年代を必ずしも示すものとはいえず、遺構建設の上限年代を与えるだけである。また、年輪年代法による測定値そのものの信頼性についても、分科会で調べた範囲内では広く議論された例も見当たらない。我々市民研究家としては、年輪年代法は遺跡の年代推定に有効な方法であると思うが故に、以上のような問題もあるということを十分認識して、今後の研究の進展を見守りたいと考えている。